来るな!
見てはなんねえ!
駅長役を演じる杉本哲太の呼びかけに
「もうおそいよ」
リアルだ。
あの大戦で街を焼かれ、見慣れた風景が一変した体験と現代とが重なる。
トンネルの奥で取り残された日常性の象徴である電気の消えた電車が妙に恐ろしい。
そして、その言葉はこれで夢にまで見た「上京」という目標が二度までも絶たれたユイの心の叫びと運命・性・諦めの気持ちでもあった。
でもこの変わり果てた景色さえも見れなかった人が・・・
話は変わるが大正ロマンあの竹下夢二
もあの関東大震災を間近で経験し、直後、筆と紙を持って外に飛び出して変わり果てた日常を夢中で描いたが、そのあまりにもの惨状を目のあたりにしてその後あの女性画を描けなくなってしまった。
夢二のそれはきのふ引退宣言した宮崎駿と重なる思いが・・・