何回見ても感動する最後のシーン
「あなたっていつも勝手ね」
倍賞千恵子の演技が逸品だ。
百姓鉄矢と桃井の初々しい演技もまたいい。
「あなたに関係ないでせう」
桃井演じる失恋一人旅人の当時を風潮する一言。
世の中ピンクレディーとキャンディーズ、サザンが流行り始めた昭和50年代初頭。
その時代を象徴するマツダファミリアと間逆の大陸的重厚な音楽。
そして炭鉱町。
戦後日本を支えた忘れさられようとする石炭産業で生きる小さな幸せを求める家族を山田監督は忘れまいとしたレクイエイム的作品だったのだらう。
時代を超えてもなお感動が伝わる点が山田作品のすごさだ。
この映画で倍賞千恵子は
このあと日本はバブル景気に突入していきます。
足元が定まらない浮き出し始めた日本の若者、斜陽産業で細々としかしささやかな希望を持って生きる夫婦。この相反する世代に山田監督のえこひいきの無い暖かなまなざしと世代間のふれあい、すなわち
「人を信じる」
ことの大切さを教えてくれています。